ダイヤモンドを選ぶとき、何をいちばん大切にしたいか。その優先順位は、人それぞれかもしれません。
近ごろ注目されているのが、ラボグロウンダイヤモンドという新しい選択肢。天然と同じように美しく、それでいてエシカルでサステナブル。そんな魅力に惹かれる方が増えています。
でも実際、「天然石とまったく同じ」に選べるの? ラボグロウンダイヤモンドの4C(カラット・カラー・クラリティ・カット)ってどう見るの? そんな疑問に応えるため、基本の見方から鑑定書のチェックポイント、人気ブランドの傾向までわかりやすく整理しました。ラボグロウンダイヤモンドを婚約指輪やオーダーメイドジュエリーを考えている方にも、きっと参考になるはずです。
ラボグロウンダイヤモンドにもダイヤモンドと同様4Cはある
「人工的に作られたものだから、評価は特別なのでは?」
そう思われることもありますが、ラボグロウンダイヤモンドも、天然ダイヤモンドと同じ「4C」の基準で評価されています。
しかも、アメリカのGIA(米国宝石学会)やIGI(国際宝石鑑定機関)など、世界的に信頼されている機関が、天然と同じスケールでしっかりとグレードをつけています。つまり、品質を見るうえでのルールは、ダイヤモンドもラボグロウンダイヤモンドもすべて共通ということです。
ただし、ラボグロウン特有の特徴や違いがあるのも事実。選び方のコツや注意点を知っておくことで、もっと納得のいく選択ができるようになります。
ダイヤモンドの4Cとは?
Carat(カラット):大きさと重さをあらわす単位
1カラット=0.2グラム。ダイヤモンドの「大きさ」は、このカラットで表されます。
ただし、カットの仕上がりによって「見た目のサイズ感」が変わることもあるため、数字だけで価値が決まるわけではありません。
同じ1カラットでも、形やバランスによって大きく見えたり、小さく見えたり。重量とプロポーションの両方を見て判断することが大切です。
Color(カラー):無色に近いほど評価が高い
ダイヤモンドの色は、D(完全な無色)からZ(黄色味が強い)までのグレードで評価されます。
「色がない=より透明に光を反射する」という理由から、無色に近いほど高評価とされているのです。
ラボグロウンダイヤモンドは、安定した環境で育てられるため、高いカラーグレードが出やすい傾向がありますが、肉眼で見たときの印象も大事な判断基準になります。
Clarity(クラリティ):内包物や傷の少なさ
天然でもラボグロウンでも、ダイヤモンドには結晶化の過程で生まれるインクルージョン(内包物)やブレミッシュ(表面の小さな傷)が見られることがあります。
これらの位置や大きさ、目立ちやすさによって、クラリティはFL(フローレス)〜I3(やや内包物が目立つ)までのランクに分かれています。
ラボグロウンの中には、天然よりもクラリティの高い石が多いという声もありますが、本当に大切なのは、肉眼で気になるかどうか。数字にとらわれすぎず、「見た目」を大事にしたいところです。
Cut(カット):輝きを左右する最重要項目
ダイヤモンド特有の「キラキラ」とした輝きは、光の反射や屈折、分散によって生まれるもの。
この輝きの質を決めるのが、唯一人の手で左右できる「カット」です。
カットのグレードはExcellent(エクセレント)を最高に、5段階程度で評価されます。なかでもプロポーション、シンメトリー(対称性)、ポリッシュ(研磨)といった細かい要素が評価に影響します。
どれだけカラットがあっても、カットが甘ければ本来の輝きは引き出せません。だからこそ、婚約指輪やプレゼントに選ぶなら、カットを最優先にするのが基本です。
ラボグロウンダイヤモンドに4Cを当てはめると、どこが変わる?
4Cという評価軸そのものは、天然でもラボグロウンでも変わりません。
しかし、石の「育ち方」が違うことで、傾向には少し差が出てきます。
たとえば、ラボグロウンではラトリー法やCVD法といった技術で、人工的にダイヤモンドの結晶を育てていきます。そのため、色や透明度が安定しやすく、グレードが高めに出やすいことも。
一方で、天然石のような偶然の個性や希少性は少なめ。この点をデメリットととらえるか、均一で信頼性が高いというメリットと考えるかは、人によって分かれます。
注目点1:鑑定書に「ラボグロウン」の明示があるか
見た目だけでは、天然とラボグロウンを見分けるのはほぼ不可能です。
だからこそ、「これはラボグロウンですよ」という表記がしっかりある鑑定書が付いていることが大前提になります。
「Laboratory-grown」や「Man-made diamond」など、国際的な表記ルールに基づいた明示がされているか、購入前に必ず確認しましょう。
注目点2:評価の出し方は鑑定機関によって少し違うことも

同じ4Cでも、鑑定をする機関によって“評価の出し方”が微妙に異なることがあります。
たとえば、GIAはやや厳しめ、IGIはやや寛容といった傾向の違いが指摘されることもあります。
また、レポートに記載される項目やその書き方も異なるため、「この表はどういう意味?」と戸惑うことも。購入の際は、販売スタッフに説明してもらったり、公式サイトで確認するのがおすすめです。
鑑定書で確認したい5つのポイント
ラボグロウンダイヤモンドを選ぶ際に、鑑定書でチェックしたいのは次のような点です:
- 「Laboratory-grown」の表記があるか
- 4Cの評価(カット・カラー・クラリティ・カラット)のそれぞれのグレード
- レポート番号と、石にレーザー刻印があるかどうか
- プロポーション、ポリッシュ、シンメトリーなど「輝き」に影響する情報
- 販売店の保証内容、サイズ直し、返品対応の有無
4Cの優先順位で考える、ラボグロウンダイヤモンドの選び方
では実際に選ぶとき、どこを優先すべきなのでしょうか?
婚約指輪やプレゼント、日常使いなど目的によって違ってくるとはいえ、基本的なガイドラインとしては次のように考えられます。
- カットを最優先:輝きの美しさを大切にしたい
- カラー・クラリティは「見た目」と「予算」のバランスで調整
- カラット(サイズ)は最後に調整
また、デザインとの相性や指とのバランスも含めて、自分にぴったりの一本を選ぶ視点が大切です。
ラボグロウンダイヤモンドにも4Cはある?まとめ
天然と同じ4Cで評価されるラボグロウンダイヤモンドは、価格・品質・価値のバランスに優れた新しい選択肢として注目されています。
選び方に迷ったら、「何を大事にしたいか」「どんなふうに身につけたいか」という自分の価値観を基準に優先順位を整理することが、納得できるジュエリー選びへの第一歩です。
天然か、ラボグロウンか。答えは一つではなく、時代とともに「美しさの意味」もまた多様化しています。
参考サイト
・GIA(Gemological Institute of America)
・IGI(International Gemological Institute)
・日本ジュエリー協会資料


