ダイヤモンドアンビルセルとは?100万気圧の超高圧を生み出す仕組みと用途に迫る!【DAC】

ダイヤモンドと聞くと、婚約指輪やネックレスなどに使われる「宝石」を思い浮かべる人が多いでしょう。

しかし科学研究の分野では、ダイヤモンドは地球の奥深くに匹敵する超高圧環境をつくるための材料としても使われています。その代表的な装置が、ダイヤモンドアンビルセル(Diamond Anvil Cell:DACです。

DACでは、向かい合わせた2つのダイヤモンドアンビルで微小な試料を挟み、手のひらに載るほどの小さな装置で、100GPa(ギガパスカル)=およそ100万気圧もの圧力を発生させることができます。厳密には100GPaは約98.7万気圧、100万気圧は約101.3GPaです。

では、なぜ小さなアンビルで、それほど巨大な圧力を生み出せるのでしょうか。

この記事では、ダイヤモンドアンビルセルの仕組みダイヤモンドが使われる理由研究用途天然・人工のラボグロウンダイヤの違いまでわかりやすく解説します。

この記事を書いた人

LUMERA

1カラットの存在感を、日々の装いの中に。 未来へ続く、日常のラグジュアリー「LUMERA」。

監修および協力者

石田茂之

1962年 ダイヤモンド輸入商社の2代目として生まれ、日本の大学卒業後、2年間イスラエルのテルアビブ大学に留学。その後、約5年間ベルギーアントワープのダイヤモンド取引所で最年少駐在員としてダイヤのディーリング実施。 帰国後、日本初のダイヤモンド専門商社社長に就任。2023年6月株式会社 PERFECT を始動。2016年ベルギーのダイヤモンド業界を統括する公的機関であるアントワープワールド ダイヤモンドセンター(AWDC)より Diamonds & Antwerp Ambassadorとして任命され、日本におけるベルギーダイヤモンド大使として活動。現在日本初のラボ育成ダイヤモンドの一般社団法人日本グロウンダイヤモンド協会代表理事を兼任している。

目次

ダイヤモンドアンビルセル(DAC)とは?

ダイヤモンドアンビルセル(DAC)とは…

ダイヤモンドアンビルセルとは、向かい合わせた2つのダイヤモンドアンビルの間に小さな試料を挟み、非常に高い圧力を加える実験装置です。

英語では「Diamond Anvil Cell(ダイヤモンドアンビルセル)」と呼ばれ、頭文字を取って「DAC(ダック)」と略されます。

※本記事では、以降DACと略し表記することがあります。

  • Diamond=ダイヤモンド
  • Anvil=金床(かなとこ)
  • Cell=実験セル・容器

「アンビル」とは、金属などを叩いて加工するときに下に置く金床のことです。

DACでは、2つのダイヤモンドアンビルを金床のように向かい合わせ、その間にある微小な試料を両側から圧縮します。

1958年に現在のDACにつながる装置が開発され、その後、X線回折や分光測定などの技術と組み合わせながら、高圧科学を支える代表的な実験装置へと発展してきました。

ダイヤモンドアンビルセルではどのくらいの圧力を作れる?

DACでは、数GPaから100GPaを超える圧力まで、目的に応じて非常に幅広い圧力条件をつくることができます。

目安として換算すると、

  • 1GPa:約9,870気圧
  • 10GPa:約9万8,700気圧
  • 100GPa:約98万7,000気圧
  • 約101.3GPa:約100万気圧

となります。

つまり、「100GPa=100万気圧」は厳密には同じではありませんが、一般的にはおよそ100万気圧の世界と考えてよい大きさです。

さらに研究レベルでは、通常型のDACでも数百GPaに達する超高圧発生が報告されています。日本でも、ダイヤモンドアンビルセルを用いて410GPaまで静的圧力を発生させた研究例があります。

【原理】なぜダイヤモンドで100万気圧を作れるの?

小さなダイヤモンドが100万気圧もの環境をつくれる理由は、単に「ダイヤモンドが硬いから」だけではありません。

ポイントは、ダイヤモンドの優れた機械的特性と、力を非常に小さな面積へ集中させる構造にあります。

非常に硬く、高い圧力に耐えられるから

ダイヤモンドは、炭素原子同士が強固に結合した結晶です。

高い硬度に加え、高圧下でも安定した機械的特性を持つことから、微小な面積へ非常に大きな力を加えるアンビル材料として利用されています。近年の研究でも、DACはダイヤモンドの高い硬度や弾性的な性質などを利用した超高圧装置と位置付けられています。

ただし、「ダイヤモンドなら絶対に割れない」というわけではありません。

結晶内部の欠陥歪みアンビルの形状荷重のかかり方位置合わせなどによっては破損することがあります。そのため、超高圧実験ではダイヤモンドそのものの品質だけでなく、加工精度セッティングも非常に重要です。

先端を小さくすると圧力が集中するから

DACが高い圧力を生み出す基本原理は、実はとてもシンプルです。

圧力は、

圧力 = 力 ÷ 面積

で決まります。

同じ力を加える場合でも、押す面積が小さくなるほど、その部分に加わる圧力は大きくなります。

たとえば、

大きな面積で押す

力が広い範囲へ分散する

圧力は小さい

のに対して、

非常に小さな面積で押す

力が一点近くへ集中する

極めて高い圧力になる

という仕組みです。

DACでは、ダイヤモンドアンビルの先端を数十〜数百µm程度の小さな平面に加工し、その部分へ力を集中させます。

この小さな先端面を「キュレット(culet)」と呼びます。

透明で試料を外から観察できるから

ダイヤモンドがDACに適しているもう一つの大きな理由が、光やX線を利用した測定に適していることです。

ダイヤモンドアンビルは試料を圧縮すると同時に、「窓」の役割も果たします。

そのため、ダイヤモンド越しに、

  • レーザーを照射する
  • X線を照射する
  • ラマン分光などの光学測定を行う
  • 試料の状態を観察する

といった実験が可能です。

シカゴ大学の高圧研究施設でも、DACのダイヤモンドは圧力を加えるだけでなく、試料へ光学的・X線的にアクセスするための窓として利用されています。

単に「硬い物質」ではなく、高圧をつくりながら、その内部を観察できることがダイヤモンドの大きな強みなのです。

ダイヤモンドアンビルセルの仕組み

DACは非常に小型ですが、その内部には超高圧を安定して発生させるための工夫が詰まっています。

2つのダイヤモンドアンビルで試料を挟む

DACの基本となるのは、向かい合わせに配置された2つのダイヤモンドアンビルです。それぞれの先端にある平らなキュレット面を向かい合わせ、その中央へ試料を配置します。

セル本体から力を加えると2つのダイヤモンドアンビル同士が近づき、中央の試料が圧縮されます。

アンビルの先端「キュレット」に圧力を集中させる

アンビル先端の平らな部分がキュレットです。キュレットを小さくするほど、同じ荷重でもより高い圧力を発生させやすくなります。

一方で、キュレット径を小さくすると試料を入れられる空間も小さくなり、ダイヤモンドにかかる応力も大きくなります。

そのため、

  • 目標圧力
  • 試料サイズ
  • 測定方法
  • ダイヤモンドの品質
  • アンビル形状

などを考えながら、適切なキュレット径を設計する必要があります。

2つのダイヤモンドアンビルの間にガスケットを置き、試料を入れる

実際のDACでは、2つのダイヤモンドアンビルの間にガスケットと呼ばれる薄い金属板などを配置します。

ガスケット中央には小さな穴を開け、そこへ、

  • 実験する試料
  • 圧力媒体
  • 圧力測定用の物質

などを入れます。

つまり、試料を単純に2つのダイヤモンドアンビルで直接押しつぶしているわけではありません。

ガスケットが試料室の役割を果たし、圧縮された試料や圧力媒体を保持します。APS(Advanced Photon Source)のDAC設備でも、試料は2つのダイヤモンド間にあるガスケット孔内へ封入して使用されています。

アンビルのキュレット周辺をベベル加工して、さらに高い圧力に対応する

高い圧力を目指すDACでは、ダイヤモンドアンビルの先端を単純な平面ではなく、段階的な傾斜を持つ形状へ加工することがあります。

これがベベル加工(bevel processing)です。

たとえば、

  • キュレット
  • 1st bevel
  • 2nd bevel

というように、キュレット周辺へ複数段階の傾斜面を設けるダブルベベル/Two-stage bevelなどがあります。

ベベル形状を適切に設計することで、キュレット周辺の応力状態を調整し、より高い圧力領域を狙えるようになります。実際に、ベベル加工したダイヤモンドアンビルを用いるDACでは400GPa級までの高圧研究も報告されています。

LUMERA INDUSTRIALでも、キュレット径や1st bevel、2nd bevelなどを指定したダイヤモンドアンビルの加工に対応しています。提供資料では、キュレット100µm、1st bevel 300µmなどの設計例が示されています。

ダイヤモンドアンビルセルでは何を研究するの?

DACを使うことで、私たちが普段生活している環境では見ることのできない物質の姿を調べられます。

代表的な研究分野を見てみましょう。

ダイヤモンドアンビルセルで地球の内部を再現する

DACの代表的な用途の一つが、地球深部の環境を再現する研究です。

地球内部では、深くなるほど圧力と温度が高くなります。

実際にDACを使って200GPaを超える圧力や数千Kの高温環境をつくり、マントルや核に相当する条件で物質の性質を研究している研究施設もあります。

こうした実験によって、

  • 地球内部では鉱物がどのような結晶構造になるのか
  • 鉄などの物質がどのような性質を持つのか
  • 地球内部でどのような化学反応が起きるのか

などを調べることができます。

ダイヤモンドアンビルセルで未知の新しい物質を探す

物質は、圧力を加えることで原子同士の距離や並び方が変わります。その結果、常圧では存在しない結晶構造へ変化したり、まったく異なる性質を示したりすることがあります。

このような圧力による相転移を調べることも、DACの重要な用途です。

新材料の探索や、物質の基礎的な性質の解明など、材料科学物性物理学の幅広い研究に利用されています。

ダイヤモンドアンビルセルで超伝導の研究

DACは、超伝導研究でも重要な役割を果たしています。

一部の水素を多く含む物質では、非常に高い圧力をかけることで超伝導状態が現れることが報告されており、ダイヤモンドアンビルセルを使った研究が続けられています。

たとえばAPSでは、100万気圧を大きく超える高圧下で超伝導材料を生成し、ダイヤモンド越しに高エネルギーX線を照射して結晶構造を調べる研究が行われています。

ダイヤモンドアンビルセルで材料・物性研究

DACでは、圧力を変化させながら物質のさまざまな性質を測定できます。

代表的なのが、

  • 結晶構造
  • 電気抵抗
  • 光学特性
  • 磁気特性
  • 相転移
  • 化学反応

などです。

圧力を変えると物質の性質がどう変わるのか」を調べられるため、物理学・化学・地球科学・材料科学など、多くの研究分野で利用されています。

なぜ「ダイヤモンド」でなければいけないの?

DACにダイヤモンドが使われる理由を整理すると、大きく4つあります。

高い圧力に耐えられる

ダイヤモンドは優れた機械的特性を持ち、極めて小さなキュレット面へ大きな荷重を集中させることができます。

光学的に透明である

可視光をはじめとした幅広い波長域で高い透明性を持つため、試料を外部から観察できます。

X線を利用した測定ができる

DACと放射光X線を組み合わせることで、高圧状態のまま結晶構造などを調べることができます。

レーザーを使った加熱実験ができる

ダイヤモンド越しにレーザーを照射し、圧力だけでなく高温も同時に与えるレーザー加熱DACも広く使われています。

NIMS(物質・材料研究機構)も、ダイヤモンドアンビルを通してレーザーやX線を利用できるため、超高圧下での加熱結晶構造解析物性評価が可能になると紹介しています。

つまりDACに使われるダイヤモンドアンビルは、押すための工具観察するための窓を兼ねているのです。

天然と人工ダイヤ、DACではどちらを使う?

ダイヤモンドアンビルの材料には、天然ダイヤモンドだけでなく、人工的に育成したラボグロウンダイヤモンド(Lab-Grown Diamonds)も利用できます。

従来、ダイヤモンドアンビルセルでは天然ダイヤが広く使われてきた

DACの歴史では、天然の単結晶ダイヤモンドが長く利用されてきました。

一方、天然ダイヤモンドには個体差があり、目的とするサイズ・純度・内部歪み・結晶品質などの条件を満たす原石を安定して確保することが課題になる場合があります。

現在は人工のラボグロウンも使われている

ラボグロウンダイヤモンドは研究用DACでも利用されています。

ラボグロウンダイヤモンドは天然ダイヤモンドと生成過程は異なりますが、化学組成や結晶構造は本質的に同じダイヤモンドです。GIAも、ラボグロウンダイヤモンドは天然ダイヤモンドと基本的に同じ化学組成と結晶構造を持つと説明しています。

実際、合成ダイヤモンドをDACのアンビルとして使用し、125GPaを発生させた研究や、200GPaを超える領域まで到達した研究も報告されています。

さらに近年の超高圧研究でも、合成Type IIaダイヤモンドアンビルが使用されています。

したがって、「人工ダイヤモンドだからDACには使えない」というわけではありません重要なのは天然か人工かという区分だけではなく、研究条件に必要な性能を満たしているかどうかです。

DACでは「宝石としての品質」だけでは判断できない

研究用途では、

  • 内部歪み
  • 結晶欠陥
  • 結晶方位
  • 純度・Type
  • 透明性
  • 蛍光特性
  • サイズ
  • キュレット加工精度
  • ベベル形状

などが重要になります。

日本高圧力学会誌に掲載されたDAC用ダイヤモンドの解説でも、超高圧発生には内部歪みや結晶欠陥の少ないダイヤモンドを選ぶことが重要とされ、光学測定では透明性や発光特性も選定要素になるとされています。

そのため、VVSなど宝飾用の品質評価は結晶状態を確認する一つの目安にはなりますが、宝石として高品質=あらゆるDAC実験に最適、とは限りません。

研究目的に合わせた結晶選定と加工が重要です。

ラボグロウンなら、ダイヤモンドアンビルの調達コストを抑えられる!

研究用ダイヤモンドでは、実験条件によってアンビルを複数使用したり、破損リスクを考慮して予備を確保したりする必要があります。

そのため、1個あたりの価格は研究コストへ直接影響します。

LUMERA INDUSTRIALでは、条件によって天然ダイヤモンドと比較して約1/3〜1/10の価格でラボグロウンダイヤモンドを提供できるケースがあります。

調達コストを抑えることで、同じ予算でも複数のアンビルを用意したり、より研究条件に合った仕様を検討したりしやすくなる点は、ラボグロウンダイヤモンドを選ぶメリットの一つです。

【アンビル使用実績】実際にラボグロウンダイヤは高圧実験で使える?

LUMERA INDUSTRIALの工業用ダイヤモンド

「理論上は使えるとしても、実際の高圧実験で問題なく使えるのか」と気になる方もいるでしょう。

LUMERA INDUSTRIALでは、実際の研究環境でラボグロウンダイヤモンドアンビルの使用実績があります。

80GPa・レーザー加熱条件で使用

LUMERA INDUSTRIALが提供したダイヤモンドアンビルは、大型放射光施設での実験に活用され、80GPa・レーザー加熱条件で問題なく利用された実績があります。

80GPaは、標準大気圧に換算すると約79万気圧に相当します。

放射光X線とレーザー加熱を組み合わせる高圧実験では、単に圧力へ耐えるだけでなく、アンビル形状や光学的特性、加工精度なども重要になります。

国立研究機関で30GPaを超える実験にも使用

また、LUMERA INDUSTRIALのTwo-stage bevel加工を施したダイヤモンドアンビルは、国立研究機関で30GPaを超える条件の実験にも使用されています

提供資料では、

  • Culet:100µm
  • 1st bevel:300µm
  • 2nd bevel surface

とした加工例が示されています。

このように、ラボグロウンダイヤモンドでも、研究条件に適した結晶品質と加工精度を確保することで高圧実験への利用が可能です。

重要なのは「天然か人工か」という一点だけではなく、目標圧力や測定方法に対して、必要な結晶加工仕様を満たしているかです。

ダイヤモンドアンビルの選び方

研究用のダイヤモンドアンビルを選ぶ際は、価格や大きさだけで決めるのではなく、実験条件から必要な仕様を逆算することが重要です。

キュレット径

キュレットは圧力を集中させる中心部分です。

一般に小さいキュレットほど高い圧力を狙いやすくなりますが、試料室も小さくなり、取り扱い難度やアンビルへの負荷も増します。

何GPaまで出したいか」を基準に検討する重要な項目です。

ベベル加工

100GPaを超えるような高圧域を狙う場合には、シングルベベルやダブルベベルなどの形状を採用するケースがあります。

キュレット径だけではなく、

  • ベベル径
  • ベベル角
  • 段数

なども含めて設計する必要があります。

結晶品質

高圧を発生させる場合、内部歪みや欠陥は破損リスクにつながる可能性があります。

特に高圧領域では、外観だけでなく、研究用途を前提とした結晶選定が重要になります。

結晶方位

実験内容によっては、ダイヤモンドの結晶方位も重要です。

アンビルの力学特性や加工条件、測定方法などを考慮し、目的に適した方位を選定します。

ダイヤのType・純度

ダイヤモンドは、含まれる不純物などによってType Ia、Ib、IIa、IIbなどに分類されます。

どのTypeが適しているかは測定方法によって異なります。

たとえば赤外分光やラマン測定などでは、ダイヤモンド自身の吸収や蛍光が測定へ影響するため、純度やTypeの選択が重要になる場合があります。

目標圧力

30GPaを目指す実験と、100GPa、200GPa以上を目指す実験では、求められるアンビル仕様が異なります。

先に、

最大何GPa程度まで発生させたいのか

を明確にしておくと、キュレットやベベル形状を検討しやすくなります。

レーザー加熱やX線利用の有無

レーザー加熱、ラマン分光、赤外分光、放射光X線回折などを行う場合は、それぞれの測定波長や実験条件に適したダイヤモンドを選ぶ必要があります。

そのため研究用アンビルは、単なる「ダイヤモンド製の部品」ではなく、実験システムの一部として仕様を決めることが重要です。

LUMERA INDUSTRIALでは、方位面、製法、大きさ、透明度、色、キュレット径、ベベル加工など、研究条件に合わせたダイヤモンドおよび加工仕様の相談に対応しています。

ダイヤモンドアンビルセルに関するよくある質問

ダイヤモンドアンビルセルは何GPaまで出せますか?

DACの発生圧力は、キュレット径、アンビル形状、ダイヤモンド品質、セル構造などによって大きく異なります。

100GPaを超える実験は珍しくなく、一般的なDACを使った研究でも数百GPaの領域まで到達しています。通常型DACで約400GPaが一つの高圧領域の目安として議論されており、日本でも410GPaの発生例が報告されています。

100万気圧は何GPaですか?

100万気圧は約101.3GPaです。

1標準気圧は101,325Paなので、

1,000,000気圧 × 101,325Pa
=101,325,000,000Pa
=101.325GPa

となります。

そのため、100GPaは約98.7万気圧で、一般向けには「約100万気圧」と表現されることがあります。

なぜダイヤが割れないのですか?

ダイヤモンドは非常に高い硬度と優れた機械的特性を持つため、大きな圧力を受けるアンビル材料として利用できます。

ただし、ダイヤモンドも条件によっては割れます。

内部欠陥や歪み、キュレット形状、荷重の偏り、アンビル同士の位置ずれなどは破損につながる可能性があります。

そのため超高圧実験では、ダイヤモンドの品質だけでなく、加工精度やアライメントも重要です。

天然でなければいけませんか?

いいえ。

天然ダイヤモンドだけでなく、人工のラボグロウンダイヤモンドもDACに利用されています。

過去には合成ダイヤモンドで125GPaや200GPa以上を発生させた研究例があり、現在の超高圧研究でも合成ダイヤモンドアンビルが利用されています。

人工のラボグロウンダイヤでもDACに使えますか?

使用できます。

天然・ラボグロウンを問わず、重要なのは目標圧力や測定方法に適した結晶品質・形状・加工精度を確保することです。

LUMERA INDUSTRIALのラボグロウンダイヤモンドアンビルでは、SPring-8における80GPa・レーザー加熱条件での使用実績や、国立研究機関における30GPa超の実験への採用実績があります。

価格はどのくらいですか?

ダイヤモンドアンビルの価格は、

  • ダイヤモンドのサイズ
  • 結晶品質
  • Type
  • 方位
  • キュレット径
  • ベベル加工
  • 加工精度
  • 注文数量

などによって大きく変わるため、一律ではありません。

LUMERA INDUSTRIALでは、仕様によって天然ダイヤモンドと比較して約1/3〜1/10の価格で提供できるケースがあります。研究条件や必要数量に応じて個別に見積もるのがおすすめです。

ダイヤモンドは「宝石」だけではなく、科学を支える素材

ダイヤモンドアンビルセルは、2つの小さなダイヤモンドアンビルを使って、100万気圧にも及ぶ超高圧環境を生み出す装置です。

その仕組み自体は「小さな面積へ力を集中させる」というシンプルなものですが、実際には、

  • 高い圧力に耐えられる機械的特性
  • 光学的な透明性
  • X線を利用できる特性
  • 精密なキュレット・ベベル加工
  • 高品質な結晶

といったダイヤモンドならではの特徴によって、最先端の高圧研究が可能になっています。

地球内部の研究から、新材料、超伝導、物性研究まで、その用途はさまざまです。

そして現在では、天然ダイヤモンドだけでなく、高品質なラボグロウンダイヤモンドも研究用アンビルの選択肢となっています。

LUMERA INDUSTRIALでは、研究・産業用途向けのラボグロウンダイヤモンドを取り扱い、キュレット径やベベル形状、結晶方位、サイズなど、研究条件に合わせたダイヤモンドアンビルの提案・加工に対応しています。

「現在使用している天然ダイヤモンドのコストを見直したい」「100GPa前後の高圧実験に適したアンビルを探している」「特殊なキュレット・ベベル形状で製作したい」といった場合も、実験条件に合わせた仕様の製品をご相談いただけます。

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